お寺が一年でいちばん華やぐ日。
善超寺報恩講が11月21日、22日の2日間無事お勤めされました。
去年までは、12月の14日から3日間行っていた善超寺の報恩講ですが、今年から、11月の第3週の土日へと変更し、また、今年はコロナ禍のため4座の予定を3座に減らしてのお勤めとなりました。
コロナ禍で変化の多かった今年。善超寺報恩講も少し変わりました。
今日は、そんな日にちも内容も今までとは少し違う、善超寺の新しい報恩講をご紹介していきたいと思います。
目次
善超寺の報恩講期間中、本堂は、一年で一番華やかな姿になります。
五色の幕が四方に張り巡らされ、正面には善超寺の寺紋がついた紫の幕。柱には、これまた寺紋入りの提灯が吊り下げられ、厳かな雰囲気を醸し出します。浜縁や本堂の中では赤色の毛氈(もうせん。じゅうたんのようなもの。)がひかれ、華やかな雰囲気に。一方、境内(けいだい。お寺のお庭のこと。)や参道は葉っぱ一つないように、掃き清められます。
善超寺報恩講は、これらの準備をご門徒さん方が主導して執り行ってくださいます。軍手、脚立、草刈り機、掃除機を持参してくださり、本堂も、庫裏も、境内も、境内の外も、丁寧に美しく磨かれます。
そんな、華やいだ本堂で、今年は2日間、3座のお勤めを行いました。その中でも特に好評だったのが「音楽法要」という法要です。この音楽法要とは、親鸞聖人750回大遠忌の折りに作られた新しい法要の形で、雅楽の音にのせてお勤めするものです。華やかさとドラマチックな音楽が、ご門徒さん曰く「ミュージカルをみているよう」だそうです。
「音楽法要」が新しい法要の形だとしたら、昔から行っている河野六坊のご法中方との法要は伝統的な善超寺報恩講の形を継承しています。今年も、去年同様、代表焼香や献灯献花を行った後に、河野のご法中方がお参りくださいました。
今年お招きしたのは、能美真由良(のうみまゆら)先生です。小学生の息子さんを育てていらっしゃるお母さん先生でもあります。
柔らかく、ゆったりとした雰囲気に、自然と心がほぐれるのでしょうか。ご自身のご経験から導き出されるお話に、思わず涙ぐまれる方が多く、心に残るご法話でした。
今年は、コロナ禍の報恩講で、『どうしたらできるのか』をご門徒の皆様が知恵を出し合って考えてくださいました。本堂を開けっぱなしにしたり、お斎(おとき。仏教の食事のこと。)をお持ち帰りにしてくださったり、もちろんマスクの着用も徹底してくださいました。
こんなときだから『報恩講をやめる』ではなく、こんなときだからこそ『報恩講を大切にしたい』そう思ってくださるご門徒さんがいらっしゃることがありがたく、また心強くもあります。
今年の善超寺報恩講、日にちも内容も変えての再スタートの年となりました。来年はどんな報恩講になるのでしょうか。
どうぞ楽しみにしていてくださいね。